
そうだったのか、、、、
私たちが日常的に使っている携帯電話。
相手の声が鮮明に聞こえることで、まるで隣にいるかのような感覚を味わいます。
しかし、実は携帯電話から聞こえる声は「本人の声そのもの」ではありません。驚きですよね?
今回は、携帯電話の音声がどのように伝えられるのか、その仕組みをわかりやすく解説します。
携帯電話の音声はどうやって伝わる?
1. 音声をデジタルデータに変換


電話で話す際、まず声は携帯電話のマイクで拾われます。
この声は「アナログ信号」と呼ばれるものですが、携帯電話の通信はデジタル方式なので、音声を一度デジタルデータに変換します。
これを「デジタル化」といいます。
デジタル化された音声は、「サンプリング」と「量子化」という処理を経て、0と1の二進数のデータに変換されます。
この過程で、音声の細かな部分や不要な情報が省かれ、データ量が最適化されます。
つまり、この時点でオリジナルの声と完全に同じではなくなります。
2. 圧縮技術によるデータの削減
携帯電話の通信は、限られた帯域(通信容量)を効率よく使う必要があります。
そのため、データは圧縮され、さらに小さくまとめられます。これを可能にするのが音声コーデックという技術です。
音声コーデックは、人間が聞き取れない周波数や音の細部を削除します。
例えば、バックグラウンドノイズや微妙な音色の違いなどがカットされるため、元の音声とは異なる「再構成された音声」が生成されます。
これも、相手に届く声が「本人の声そのもの」ではない理由の一つです。
3. 電波での伝送と再生


デジタル化・圧縮された音声データは電波に乗せられ、通信基地局を経由して相手の携帯電話へと送信されます。
相手の携帯電話では、このデータを逆に処理して音声を再生します。
この再生された音声は、送信側の音声データをもとに再構築された「別物の声」といえます。
本人の声との違い
携帯電話を通じて聞こえる声は、以下のような違いがあります:
- 音域の制限
携帯電話は、音声の周波数帯域を約300Hzから3,400Hzに限定しています。この範囲は人間の会話に十分ですが、高音や低音の細かいニュアンスは失われます。 - 音質の変化
圧縮処理やノイズキャンセリングにより、クリアに聞こえる一方で、声の質感や響きが変わることがあります。これが「電話越しの声は少し違う」と感じる理由です。 - ノイズの除去
携帯電話はバックグラウンドノイズを除去する技術が進んでいるため、静かな環境で話しているように感じますが、その過程で一部の音声情報が失われることもあります。
それでも「本人らしい声」に聞こえる理由
携帯電話の音声が完全にオリジナルの声ではないとしても、多くの人は「相手の声」として認識します。
その理由は、私たちの脳が音声の特徴をもとに相手を特定する能力を持っているからです。
例えば、声の高さや抑揚、話し方のクセなど、音声の特徴が十分に残されているため、再現された音声でも「その人らしい声」として感じられるのです。
音声通信の進化


携帯電話の音声通信は年々進化を遂げています。
従来の2Gや3G通信では音質が限られていましたが、4Gや5Gでは**VoLTE(Voice over LTE)**という技術が導入され、高音質でより自然な音声が伝わるようになりました。
VoLTEは広い帯域を使えるため、より多くの周波数を再現でき、会話が快適になります。
さらに、将来的にはAIや高度なコーデック技術により、音声再現の精度が向上し、ほぼ本人の声そのものが聞こえる時代が訪れるかもしれません。
電話音声が「本人の声」ではない面白さ
携帯電話を通じて聞こえる声がオリジナルと異なると知ると、普段の会話も少し違った視点で楽しめるかもしれません。
「この声はデジタル加工された相手の声なんだ」と思うだけで、技術の偉大さを感じることができるでしょう。
電話で話しているその声は、実際には「人間とテクノロジーが共同で作り上げた声」ともいえます。
この事実は、日常的な会話が科学技術に支えられていることを再認識させてくれます。
まとめ
携帯電話を通じて聞こえる声は、オリジナルの声をもとにデジタル技術で再現されたものです。
この仕組みを知ると、日常の電話の裏側には驚くべき科学と工夫が隠されていることがわかります。
次回の電話での会話では、この雑学を思い出しながら、デジタル技術の恩恵に感謝してみてはいかがでしょうか?
雑学シリーズ、次回もどうぞお楽しみに!



勉強になりました。
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